経緯
依頼者は離婚もやむを得ないと話していた。しかし、離婚には一切応じないと夫に連絡。あわせて夫に婚姻費用を請求。
夫にも代理人がつき(婚姻費用未払いは離婚の際不利になると説明されたと推測できるが)婚姻費用は月25万円支払われることで合意。夫の愛人に慰謝料請求。合計6回の分割ではあるが200万円の慰謝料を払うことで合意。内容証明送達から3か月後、示談。
解決のための工夫
夫は有責配偶者であり、子もまだ小さかったため、依頼者が合意しない限り離婚が認められる可能性は低かった。
そのため、依頼者にとって有利な条件にならない限り離婚に応じる必要はないと説明。
依頼者も納得し、婚姻費用を請求した。
愛人に対する請求については、訴訟になればもう少し高額になったかもしれないが、依頼者が訴訟になることを(訴訟になれば泥仕合になる)嫌い、早期解決の観点から200万円で合意した。その際、依頼者の希望である謝罪文言を入れること、損害賠償債務としては300万円の支払い義務があることを認めさせた。
POINT
依頼者は、訴訟をしたくないが、夫の不貞により自身がうけた痛みについて愛人が認め、謝罪してくれること。また、相当額の賠償金を受領することを求めていた。謝罪を強制する法的効力はないので、公正証書に謝罪文言をいれ、損害賠償債務は300万円であるが、200万円の支払が完了した時点で100万円は放棄するという形で。歩み寄りをみせ、早期解決を図った。